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ゆとり日本人妻×ミレニアル英国人夫が初めての出産・育児に奮闘する軌跡

育児書とは一味違う!笑いあり涙あり。ママたちの共感を呼ぶ妊娠・出産エッセイ本3冊

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妊娠後期に入り、お腹の子に会えるという楽しみと同時に、出産や育児に対する漠然とした不安は常に付きまとっています。

 

そんな時に、意外と背中を押してくれる存在。それは、きらきらとしたマタニティ雑誌でもなく、まるでお手本となる母親になるための教科書的な育児本でもなく、誰かが自ら経験した妊娠・出産・育児を語ったエッセイ本です。

 

私は妊娠するまで街で見かける妊婦さんが幸せいっぱいのきらきらした存在としか見えていませんでしたが、実際に自分が妊娠してみて必ずしも妊婦さんってポジティブな面だけじゃないのだと気が付きました。

 

妊娠初期のつわりやホルモンバランスの変化による身体の不調に戸惑い、性別判明直後のマタニティブルーのような情緒不安定な気分になった時もあれば、時に訪れるマタニティハイのような溢れだす感情。

 

ネガティブとポジティブに振り回されジェットコースターに乗っているような日々を過ごしながら、私が求めたのは共感できる誰かの言葉でした。

 

今日は、私が妊娠中に読んで心から良かったと思える3冊のエッセイ本をご紹介します。きっと、出産後に子育てに追われて辛いと思う日がきたら、再びページをめくりたくなるであろう私のお守り的な本です。

 

れもん、うむもん―そして、ママになる―

漫画家である、はるな檸檬さんが経験した妊娠・出産・育児について、それぞれの段階でネガティブな部分が隠すことなく描かれているコミックエッセイです。
 
有名なママタレたちのキラキラした出産後のコメントとは違い、はるな檸檬さんは「出産はしんどかった」と素直で飾らない本心を語っているからこそ、私は逆に出産や育児に前向きに向き合おうと思えました。
 
著者が妊娠前に描いていた妊婦さんに対するキラキラとしたイメージと裏腹に、「おもてたんとちがう」と、戸惑いだらけのマタニティライフや出産前後の現実に葛藤する姿は世のママたちから共感の嵐です。
 
著者がこうしてネガティブな面をあえて漫画にして残したことによって、私だけじゃないとスッと心が楽になる妊婦さんやママさんが必ずいると思います。
 
妊娠中のトラブルや、突然決まった帝王切開のスケジュールに合わせて仕事に追われたり、出産直後の産後うつ的な症状、心強い存在であるはずの母親との大喧嘩などなど、生々しい現実ではあるものの、ゆるっとしたイラストと共に描かれているので決して重くはありません。
 
私は今のところ自然分娩の予定ですが、著者が経験した帝王切開という分娩についても考えさせられる部分が多く、経験がない私だからこそつい読み入ってしまうほど、印象に残っている章でした。
 
妊娠も出産も、授乳もそれぞれが著者にとって「おもてたんとちがう」現実とそれを乗り越えようと頑張る姿が正直に描かれているからこそ、生まれてきた子に対する半端ない愛情の描写も偽りを感じません。
 
出産について描くのであれば、願わくば 泣いてるお母さんの横で、肩を抱いて一緒に泣くような そういうものを描きたい、と思いました。(まえがきより)
 
というはるな檸檬さん。
 
誰1人として楽な妊娠も出産もないと言うこと。だからこそ、それを乗り越えて生まれてきてくれた赤ちゃんは尊くて愛おしいという現実を教えてくれた一冊です。
 

きみは赤ちゃん

 2008年に「乳と卵」で芥川賞を受賞した作家である川上未映子さんの出産・育児エッセイ本です。

このエッセイ本は、大きく出産編と産後編にわかれて書かれているのですが、妊娠真っただ中の私は、出産編の章を何度読み返したかわかりません。

 

というのも、川上未映子さんが妊活から出産直前に感じた精神や気分の心境についてが、どこの段階をすくっても共感できる程、表現や言葉選びが繊細で、まるで私の心境を代弁しているかのようにつづられているからです。

 

『私が、あの週数に感じた不安は、私だけじゃなかったんだ!』と共感できる部分がたくさんあって、自然と涙が出てくるほどホッとしました。

 

また、完全無痛分娩という出産を希望された著者による、日本の分娩事情に対する問題提起も私が思っていることと共感する部分が多く、とても考えさせられました。

 

産後編の章は、産後クライシスによる出産編とはまた次元を超えた壮絶な日々がつづってあり、生々しくはあったものの、女性が出産するということはどういうことなのかという現実を改めて考えるきっかけとなりました。

この章は、これからパパになる男性や、出産直後の女性と関わる全ての男性にもぜひ読んでいただきたいと思います。

 

産後直後の授乳で眠れない日々の孤独感や過酷な状況の描写は、まだ出産経験のない私にはとても読むには苦しいパートではあったのですが、必ず最後には心に残る前向きな文章が印象的でした。

 

夜中を赤ちゃんとふたりきりで過ごしたこの時間のことを、いつか懐かしく思いだす日がくるのだと思う。(p171)

世のなかの思いこみから解放されて、自分たちにとっていいあんばいのスタンスをみつけてゆかねば、これから十何年もつづいていくだろう育児なんかまじでやってられないと思います、男も女も。まじで。(p227) 

 

このエッセイ本は、出産や育児に関する苦しいことや悲しいこと、不安なこともたくさん描かれていますが、同時におもしろいエピソードや生まれてきてくれた子に対する愛情も、いっぱいつまっています。最後には日本中の妊婦さんやママを明るい気持ちに照らしてくれるような一冊です。

 

良いおっぱい 悪いおっぱい 完全版

 一見、タイトルを見るといかがわしい小説かと思ってしまいますが、中身は作家の伊藤比呂美さんが第一子を妊娠してから、出産後の授乳経験までを描いた内容です。

 

完全版は、著者が30年以上前に執筆しベストセラーとなった初版の『良いおっぱい 悪いおっぱい』のリメイク版ですが、著者が若かりし頃に執筆した当時の活気ある歯に衣着せぬ表現はそのまま残し、更年期となった著者が若かりし頃の自分の文章に加筆を加え、コラムのコーナーを設けており、年齢を重ねたからこその経験を踏まえながら過去の自分を見つめなおしています。

 

この本の醍醐味は、なんといっても作家である伊藤さんのユーモア溢れる語り口調とイラストに、読みながら何度もクスッと笑ってしまうところです。

著者が語る妊娠中のお腹の子(アカンボウ)への思いは、他の誰もできないであろう痛快な表現満載。まるで著者とお話ししているような気分になり、お人柄に愛着が湧いてしまいます。普通であれば、嫌悪感を抱いてしまうような描写ですらも彼女の文体を持ってすれば、ほのぼのと読み進められます。

 

妊娠の章はもちろんのことですが、私にはまだ経験のない出産と授乳の章は、特に面白かったです。

私はあまり自分の出産に恐怖心を植え付けたくないので、陣痛などの出産にまつわる痛みを生々しく表現しているようなブログ記事や小説は読まないようにしているのですが、この著者の出産時の痛みにまつわる表現は、なぜか読んでいて全く苦じゃなくて、むしろ興味深いものでした。

 

お子さんが誕生後の授乳編も、おそらくどの育児本にも書いていないであろう、乳幼児を育てる母親たちが表では口にできないような裏の面がコミカルに描かれているので、読んでいて全くネガティブな気持ちになりませんでした。

 

授乳育児の大変さはものすごく伝わってきますし、著者自身の経験による中絶・流産といったシリアスなテーマが焦点となった部分もなぜかネガティブな気分にさせない文章力と表現力の賜物で、私が出産後にもし育児ノイローゼになったとしてもきっと救われるのだろうと思いました。きっと、不安な出産・育児を目前にしたプレママさんたちを明るい方向へ誘ってくれるでしょう。

 

著者が出産されてから30年以上経っており、今や良しとされている育児法は時代と共に変化してきているものの彼女の活気ある文章には現代も共感する人が多いのは納得です。

 

やはり時が経っても妊娠・出産~育児というライフステージが女性にもたらす大きな影響力は世代を超えて共感と共に受け継がれていくのだと思える一冊でした。

 

まとめ

分娩方法や、出産・育児中のトラブルなど、どの著者も全く同じ妊娠・出産を経験したわけではありませんが、なぜか母親になるという過程を通して根本的な何か(心境や心の変化)に共感する内容ばかりです。

多くのママたちの心の叫びを代弁しているような、そんな存在に思えます。

 

赤ちゃんがきてくれるということは幸せなことなのに、どうしてこんなに不安なんだろうとか、孤独なんだろうとか、そういう気持ちを言葉にしてみることも大切なのだなぁと思いました。

そうすることによって、気づくことがたくさんあるため、川上未映子さんのおっしゃるようにできれば夫婦ふたりで、もしくは信頼できる誰かと時間をかけて話し合って、やりとりして自由になることが大切なのかもしれません。